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腸内フローラと健康

腸の知識

腸内細菌叢と病気との関係

50種類以上の主な慢性疾患は、人の腸内細菌叢のバランスが崩れることで引き起こされます。2018年に世界的に有名な医学雑誌Sience、Nature、Cellが、腸内細菌と様々な病気との関係を掲載しました。最近発表された最新の研究結果では、癌、白血病、糖尿病、肥満、肝臓疾患、動脈硬化、うつ病、自閉症、パーキンソン病、潰瘍性大腸炎、湿疹、アレルギー及び、リウマチ他50以上の疾病および慢性疾患が、人の腸内細菌叢のバランスに関連していると掲載されています。

小腸

小腸は、消化と吸収を行うだけの臓器でなく、免疫機能のも有してます。すべての病気の根本的な原因は腸内にあり、腸は様々な病気に対する強さの根源であり、今世紀の最もホットな研究課題です。腸は、身体の免疫を制御するために、その”守り神”である腸内細菌および免疫細胞を十分に利用、活用します。人の免疫細胞の約70%が小腸で形成されますので、成人期以降は腸の健康状態に注意を払うことが重要です。

腸内細菌

[ 腸内細菌の分類 ]

 世界保健機関 微生物学会の主席であり、東京大学の教授である光岡知足は、腸内細菌を善玉菌、悪玉菌、日和見菌の3つのカテゴリーに分けました。

  • ●胎児が母親の体内に居る時、腸内は無菌です。
  • ●生後3〜5日の時点では善玉菌が約95%を占めます。
  • ●離乳期 ~成人期に悪玉菌が増加し、成人期の後半には、プロバイオティクス(注1)

が大幅に減少。逆に悪玉菌が劇的に増加します。

  • ●老齢期に入ると、善玉菌は減り、悪玉菌の天下となります。
  • ●成人の腸内の細菌の総数は一定であり、生涯大きな変化はなく、悪玉菌は増加し、

善玉菌は減少する傾向となります。

人体の老化は善玉菌が減少して行く過程に比例します。高齢者は、様々な慢性疾患、癌などを患い易く、そのすべてが腸内叢の老化に根ざしており、免疫力が低下して行きます。「善玉菌の減少+悪玉菌の増加=慢性疾患や癌などの増加」と言う図式になります。

”善玉菌の優位性を維持する”事が、即ち、免疫力を高め、老化を遅らせ、病気になり難い身体にすると言う事になります。

(注1) プロバイオティクスとは、「人に有益な作用をもたらす生きた微生物群。

腸内細菌叢(腸内フローラ)micro

●腸内細菌叢(腸内フローラと言う名称でも知られている)

最新の研究によると、腸内には1000種類以上、数にして100兆個以上の細菌が存在し、その重量は何と約1.5kg!にもなります。腸内の細菌は種類ごとに集められ、花壇の様に腸の壁に密集して植え付けられます。それは腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ばれ、免疫及び健康の「腸の叢」とも呼ばれます。 正に”第二の脳”、”健康の鍵”と呼ばれる所以です。

●腸内細菌叢は宿主が一定であり、外来細菌をコロニー化することは困難です。

腸内細菌叢は一定数の宿主で占められ(成人では腸内の細菌の数は大きく変わらない)、その中で善玉菌と悪玉菌は日々激しく競合しており、日和見菌はその戦況を見極め、数が優勢の側に味方をする、所謂、「風見鶏」的な存在です 腸内の細菌数は一定であるため、その結果として、一方の側が増え、他方の側が減少すると言う事になるのです。

善玉菌は、主に自己増殖に依存しており、後は経口投与により補う事しか出来ず、宿主には成り難いため、腸内をコロニー化することが難しいのです。、腸内細菌のバランスは、年齢、環境、食生活などの様々な理由により崩壊して行きます。その結果、悪玉菌が優勢になると、腸内環境のバランスが崩れ、健康状態が悪化してしまいます。

光岡知足先生の研究結果によると、成人においては健康維持のためには、善玉菌20%、日和見菌70%の状態をキープし、悪玉菌は10%を超えてはならないとの事です。

免疫細胞

●体の免疫細胞の70%が小腸にあります。

  • 最新の科学研究によると、体の免疫細胞の70%が小腸にあることが確認されています。 健康な人は、毎日数千〜数万の癌細胞を産生しますが、人体の60兆個の細胞のうち、癌細胞が増殖をしない限り、それらは完全に無視出来るレベルのものです。また、癌細胞が増殖しないように守ってくれているのが免疫細胞(白血球)です。免疫細胞(白血球)は身体のすべての部分を巡回し、癌細胞が発見されるとそれらを消滅させてくれます。 しかし、免疫細胞の活性が低下し、体の免疫力の状態が低くなると、癌細胞等が生き残り、増殖し他の細胞組織に広がり、最終的に体全体に広がってしまいます。

免疫細胞のベースキャンプ----パイエル板(腸リンパ節)

●体の免疫細胞は骨髄、胸腺、リンパ節に分布していますが、70%は小腸のパイエル板に含まれています。パイエル板(注1)は、免疫細胞の本拠地であり、トレーニングの場です。免疫細胞の主は白血球であり、この部分にはM細胞(注2)も存在し、M細胞は体内に侵入するウイルスを狙い撃ちし阻止、T細胞(注3)とNK細胞(注4)が死滅させます。

  • (注1)パイエル板:虫垂や回腸によくみられる10〜40個のリンパ小節が集合した組織.腸管免疫において機能する.
  • (注2)M細胞:パイエル板を覆う濾胞被蓋上皮の吸収上皮細胞間に散在する細胞である。消化管の免疫に関与していると考えられている。
  • (注3)T細胞:リンパ球の一種で,骨髄の幹細胞に由来し,胸腺で分化する免疫担当細胞
  • (注4)MK細胞:ナチュラル・キラー細胞は、文字どおり生まれつきの殺し屋で全身をパトロールしながら、がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ次第攻撃するリンパ球です。

●免疫細胞は活性化とトレーニングを必要としています。さて、どのように活性化するのでしょうか?

●バクテリアやウイルスなどの異物がなければ、免疫システムは始動しませんし、免疫力も向上しません。でも我々は異物を体内に取り込む必要はありません。”複合微生態製剤”と言う特別な乳酸菌の摂取する方法が有るからです。

細胞の細胞壁には、免疫細胞を活性化する特殊な成分が含まれており、免疫スイッチを作動させることが出来るこの特別な製剤は直接且つ大量に小腸に到達します。この時、パイエル板のM細胞はそれを異物として扱います。これにより、免疫システムを誘発して多数の免疫細胞が活性化します。その後、人体の血液循環を通じて、体内の変異細胞などの有害物質を除去します。